組換えタンパク質生産を研究開発
PROTEIN
元は地域農業の手伝いから始まり、現在では様々な事業を展開しております。検査薬材料市場への参入後には、大腸菌を用いた組換えタンパク質生産の研究開発にも取り組み始めました。この分野について岡山大学との共同研究を進めたことにより、効率的な生産技術の開発に至り、特許も取得しております。この技術を利用することで、診断薬市場への安価な提供や、免疫抗原として抗体を作製することを目標としております。
Crystal-Tagによる組換えタンパク質発現受託サービス
大腸菌発現系を用い、目的タンパク質をCrystal-Tagとの融合体として、効率的且つ大量に回収するサービスを提供します。
※当技術は、岡山大学工学部との共同開発によって得られた技術です(特願:2008-199 166)
Crystal-Tagとは?
グラム陽性土壌細菌(Bacillus thuringiensis:BT菌)は、殺虫タンパク質を結晶体として産生します。当社では、BT菌に由来するポリペプチドを用いて、融合タンパク質の結晶体形成を促す画期的なポリペプチドタグ(Crystal-Tag)を開発しました。目的タンパク質を結晶封入体として発見させることにより、大腸菌での発現が困難であったタンパク質も効率的且つ大量に発現させることが可能となりました。
本技術によって得られる結晶封入体は安定な構造を成すため、宿主のプロテアーゼなどによる分解も受けづらく、また不活性の状態で蓄積するため、発現タンパク質が宿主に対して毒性を示さないことも特徴として挙げられます。
Crystal-Tagを用いたタンパク質発現の特徴
〇細胞毒性を示すタンパク質でも大量発現が可能
〇プロテアーゼによる分解や自己分解から目的タンパク質を保護
〇目的タンパク質の発現量が向上
〇単離、精製が大幅に簡略化
診断薬原料・その他物質の生産実績
・Cystatin C(腎機能障害マーカー)
・Myoglobin(心筋梗塞マーカー)
・Ferritin(FTL、FTH)
・HRV3C Protease(タンパク質切断酵素)
安定的なタンパク質生産にて社会貢献
Crystal-Tagを用いたタンパク質発現の実施例としては、心筋梗塞診断薬として需要の高いクレアチンキナーゼサブユニット(CKMB)のうち、CKBを本技術により結晶封入体として発現させ、大量の発現タンパクが確認されています。研究開発を重ね、特許も取得したこの技術により、市場へのより安定的な供給を目標にしてまいります。また動物血液等の分野とならび、臨床診断薬原料においての事業拡大を目指しながら、より広い社会貢献を目指します。